空想物語

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(曲だけでなく、タイトルや歌詞が物語で繋がりました。こういった物語が勝手に想起されるほどに豊かな作品ばかりだったなと、改めて思うわけです。)

 

丸10年勤めた東京から大阪にやって来て、3年が経った。
僕は、世間からは国内大手メーカーと呼ばれる会社で法人営業の仕事をしている。
万年赤字で会社のお荷物になっていた大阪の支店を立て直すという少々格好が良い建て付けで転勤してきたので、会社や上司の期待に応えようと、每日遅い時間まで働いている。時々、絵に書いたようなドケチ大阪人のお客さんからのキツい値切りに腹が立つこともあるが、くじけずに誠意と感謝を忘れずに仕事に取り組むと、いつの間にかリピーターになってくれていて、気付けば安定した売上が立つようになってきた。支店全体も、僕が赴任した当初よりはだいぶ売上が大きくなって、去年にようやく黒字転換を果たした。

 

ここまで来れたのは僕一人の力ではなく、支店の同僚や仕事で出会うパートナーさん達の協力があったからだ。大阪の街に生まれ育ち暮らしている彼らは、「もうかりまっか」なんて言葉は滅多に使わないようだが、「まいど!」や「おおきに!」は時と場合によっては言うことに気がついた。僕のように東京から来たヨソ者に対してすぐに使うような言葉ではないが、一緒に仕事をする仲間からの「まいど!」や「おおきに!」を僕に投げ掛けてもらえるようになると、それは距離感が少し縮まった合図になって、嬉しさを感じさせてくれたものだ。


もちろん、仕事が上手く行かずに落ち込んだりする日もある。
そんな日はきちんと反省して、その後は食事を済ませて風呂に入ってすぐに寝て、また起きるだけだ。何か悪いことがあってもペースを乱さずに、特別なこともせずに普通の生活をきちんと淡々と送っていくことが僕のモットーなんだから。


こうして仕事ばかりに奮闘していると、半年前から付き合っている彼女の機嫌が、最近少しよくないようだ。僕と同じく彼女も営業の仕事をしている。地元広島の大学を出てから、大阪で就職をして4年になる。幸いに僕の地元は広島の隣県なので、双方の共通点や違いに触れながら会話を組み立てていった。同じ営業をしているとわかると、すぐに気が合った。ちょっとした勉強とガッツのおかげで、彼女とは出会ったその日のうちに結ばれた。

 

勉強というのは、僕は元々女性と接したり付き合ったりするのは得意ではなく、目を見て話すのに緊張してしまうほどなのだが、知り合いが一人もいない大阪にやってきて、このままでは彼女が一生できないという危機感を覚えた。だから、一念発起して女性との接し方やモテ方を本やインターネットで学んで、実践してみたというわけ。特にツイッターの世界の中には、女性との関係づくりに一家言を持っている人達がたくさんいて、どれもとても参考になって、彼女との仲を深めるのに大いに役に立った。

 

彼女とお互いの家をよく行き来するようになるのに、それほど時間はかからなかった。背が低くて落ち着いた色の家具で揃えた僕の部屋でくつろぐのが、最近の彼女のお気に入りらしい。僕はつい、今手掛けているプロジェクトのやり掛けの仕事を思い出して、考え事をしてしまっていた。


「せっかく関西に居るんだから、草津温泉に泊まりで行きたいな」
「本当に最近忙しいんだからさ…、落ち着くまで待ってくれよ」

 

しまった、つい反射的に返してしまった。気付かないうちに仕事モードに入っていたようで、ちょっとしたケンカになった。こういう時、僕は上手になだめたり機嫌を取るのが苦手だと思ってしまう。彼女が喜ぶ正解のような言葉を考えて発するのが、どうも億劫で仕方がないのだ。疲れてちょっと面倒になって、考えることも、受け応えも、いい加減になってしまったのかも知れない。とりあえず一度トイレに立って、この変な空気が薄まるまでの時間を稼ぐ。トイレから戻った後、彼女の表情が今までよりも曇っていたことに、その時の僕は気が付くことが出来なかった。


每日欠かさずLINEのやりとりをしていた彼女と、3日間連絡がつかない。心斎橋の立ち飲み系バーで出会った彼女だから、共通の知り合いが満足にいないので誰かに所在を確認することもできない。4日目になって、ようやく一通のLINEが彼女から来た。
「話をしようよ」


一体何を言っているんだ。話は散々しているじゃないか。
職場にいるお局さんや、仕事が出来ないオジサンの話、他愛もないドラマの筋書きやワイドショーの不倫ネタ、女友達の恋愛話(僕にとっては少しくだらない)、僕はいつだってふんふんと相槌を打って、君がニコニコと話が続けられようにいつも心掛けている。自分の話を自分からするのは、いつもなるべく抑えるようにしている。会社や飲み屋にいくらでも転がっているような、欲求不満で退屈な男達がやるようなことは僕はしたくないし、してはいけないと思っているからだ。


5日目、金曜日の仕事終わりに彼女と会った。雪が降るほど寒い日だから、温かいお酒が飲めるお店に入る。彼女の口数が少ない。予め何を飲むか決めていたので、すぐにファーストドリンクの注文を済ませた。が、それが失敗だった。少ない口数を埋める他の方法を、僕は持ち合わせていなかった。空気が重く感じる。メニューを眺めながら何を注文しようか迷っているフリでもしておけばよかった。


ドリンクがテーブルに届くや否や、さっきまでエンジンが切れていたような彼女のギアが一気にトップに入る。
「かっちゃんはどういう女の子が好きなの?本当に私でいいの?
いつもそんな顔…何を考えているのかわからない…
この前のケンカがモヤっとしたまま終わって…ちゃんと言わなきゃわからないよ」
思った以上に前のめりな口調と目つき。でも瞳が潤んでいる。寒さのせいか?お酒のせいか?
いや、違う。まだ酔っていない。
僕を責める気持ちと、求められる気持ちを同時にぶつけられている気がして、思わずドキドキした。


動揺を隠すように、届けられたホットワインを少し口に含むだけの間を置いて、一言つぶやいた。
「君がいないと淋しい」


そう、僕は、くだらなくて他愛もない話でも、笑顔でいつも隣に居てくれる君のことが好きなんだ。でも照れくさくて、元々は女の子と話すのが苦手で、一生懸命にモテ方を学んで、ようやく出会えた君なんだ。彼女は、昔の根暗で奥手でビン底眼鏡で七三分けの冴えない僕のことを知らないから、きっと誤解を与えてしまったんだろう。ちゃんと説明が必要なことが、ようやく理解できた。


何も特別なことがなくたって、彼女が居てくれるだけで幸せなこと、
つつがない今日を何よりも大事にしたいと思っていること、
部屋で缶ビールを開けながらテレビを見て一緒に笑うのが最高に楽しいこと、
実は1ヶ月先の草津温泉の宿を予約したことを、不器用なりに言葉にして伝えた。
特に宿の予約は効果テキメンだったようで、彼女に笑顔が戻った。食事とお酒が進む。
外の寒さを感じていた身体が、いつの間にか温かくなっていた。


帰り道、夜空を眺めると、満月の明かりに雲が流れていくのが照らし出されていた。
手を繋いで一緒に帰るだけで幸せだと思っていたはずなのに、つい、何度も抱きしめてしまった。彼女はただ、僕に愛されたいだけだった。


1週間ぶりに彼女を抱きしめた翌朝は、気分が晴れ渡っていた。五感も冴え渡っている。大通りの街路樹や、歩行者用の信号、小さなビルの窓ガラスの輝きが、いつもより色鮮やかに見える。車のエンジン音、風が耳たぶを撫でる音、降ろしたてのスニーカーの歩行音、コンビニの自動ドアが開く時のメロディ、どんな音でもクリアに聞き取ることができる。まるでハイファイオーディオだ。今朝は抜群に気分が良い。


「次はいつ会える?」
鈴の音の様に澄んだ声だ。
「じゃあ、来週の同じ曜日の同じ時間に、同じ場所でね」
僕の声は少し掠れているみたいだ。
土曜出勤の彼女を駅まで見送ってから、
カフェが併設されている洋服のリフォーム屋さんに足を運んだ。
取れかかったシャツのボタンを直すためだ。待ち時間にはコーヒーを飲んで考えごとをすればいい。


それなりに満たされて、彼女にも恵まれて楽しい生活を送っている。
男友達には不自由がない。出会いに恵まれて、気の合う仲間で面白い集まりや活動をしている。でも、それだけで自分を磨くことが本当にできているのだろうか。
もっと、自分が好きなことをムキになって掘り下げてみてもいいんじゃないか?
一度は諦めた音楽活動だって、周りが無視できないぐらいのことをやってのければいいんじゃないか?きっと、すぐには難しいけど、時間をかければ何かがきっと実る。
一人きりなら不安だけど、今は違う。彼女という支えがある。友達もいる。
今度こそちゃんとやれそうな気がした。


待ち時間のコーヒーを飲み終える頃、去年の秋に亡くなった父が遺した言葉を思い出した。
「どんな時もくじけずに頑張っていれば、いつの日か幸せになれる。
気取って着飾ったって転べば痛いんだから、決して見栄を張るな。
努力と根性を侮るな。月並みな言葉の中にこそ真理がある。」
外国人のような派手な目鼻立ちとは対象的に、地味な言葉を遺したもんだなと思っていた。
でも、心にズシンと来た。
直したシャツを受け取って、店を出てまた歩きながら考える。


そうだ、何をするにもアイディアやテクニックは大事だけど、最後は努力と根性だ。
中学の陸上部で叩き込まれた気合いも、今ではまんざら悪いものでもないと思えるほど、僕はもう大人になっている。400mを10本走って、足が攣って転んでも起き上がって、最後まで歯を食いしばって走りきった。何かを創り上げるには、最後にはそういう気合いが必要なんだ。気合いという言葉の響きが昔から軽薄なものに思えてあまり好きではないが、だからこそ侮ってはいけない。これを思い出すことができたのは、朝の目覚めからすぐに良いアイディアが浮かんできた時のような、閃きにも似た喜びの瞬間だった。


だから、失敗したって構わない。夜になってヘトヘトになったって、陽が昇ればまたやり直すことができる。今回の作品は、合計100回近く録り直している。録音は一発録りだから、一箇所でもミスをすると最初からやり直しだ。何度も何度も繰り返す。当たって砕けろの精神だ。
縮こまっていては面白い作品はできない。遠慮なくやる。
やれるだけ頑張ったから、後は少しでも聴く人が楽しんでくれたら本望だ。


しかし…


草津温泉に一泊旅行をした後は、音楽活動に没頭するあまり、またしても彼女のことをないがしろにしてしまっていた。どうやら僕には学習能力が無いらしく、後になって指摘されて初めて気がつく。自覚がないだけタチが悪い。
(女遊びに没頭するよりはマシだと自分には言い聞かせている)


そしてまた彼女からLINEが来なくなった。前回とは違って、今回は3日経っても4日経っても、ついには1週間経ってもLINEが来ない。僕から送っても返事がない。インスタグラムは更新されているというのに。


一枚の知らない景色の写真がアップロードされた。彼女の全身が写っている。この淡い緑色をしたKate Spadeのショルダーバッグなんて持っていたっけ…。というか、一体誰と居るんだ…!?疑い始めればキリがないとはこの事である。


だんだんと不安が僕の思考を支配していく。夜は胸を掻きむしるほどに眠れない。そのうちに胸が熱くなり、嫉妬の炎に焼き尽くされそうになる。こんなに不安で締め付けられるような思いをするぐらいなら、いっその事、見苦しいほどに彼女を問い正してやりたいと思った。


彼女からの連絡が途絶えて13日目、急にこんなLINEが来た。
「豪華なデートがしたいな」
は、はぁ……!?!?!?


連絡が取れた安堵よりも、驚きと好奇心が圧倒的に勝利した。そんなセリフを言うような女ではなかったはずだ。家で缶ビールを開けて、Netflixお笑い番組を一緒に観ているだけで100点満点の笑顔を見せるような子なのに。何かがおかしい。くすぶり続ける不安と湧き上がる好奇心にまかせて、急いで会う約束を取り付けた。


待ち合わせの赤い観覧車の下に到着すると、彼女がいた。淡い緑色をした、例のKate Spadeのショルダーバッグを身に着けている。気になるがすぐには尋ねることができない。そしてメイクがいつもと少し違う。女性のメイクのことは詳しく知らないから説明ができないけれど、どこかキリッとした雰囲気だ。後ではっきりと自覚することになるが、違ったのは、実は彼女の表情だった。


豪華なデートがしたいというので、いつもより奮発して、高層階から夜景が見えるお店に入る。僕も今夜はそれなりの靴や時計を身につけてきたつもりだ。少々気取った店だが、店員がとても親切で食事も美味しいので悪くない。それも僕の計算のうちだった。料理とお酒が進めば、彼女の機嫌は自然に直るものだと、最初から高を括っていた。頼んでいたファーストドリンクが席に届いたころ、彼女が口を開く。


「このバッグ、男の人にもらったの。」
いきなり出鼻からガツンとくじかれた。


驚きのあまり、正に今飲み込もうとしていたホットワインを鼻から噴き出しそうになってしまった。どうにか踏みとどまったものの、鼻の奥がツーンと染みてきて、
小学2年生の頃にプールで溺れたことが、記憶の奥底から瞬間的に蘇ってくる。そんなこと、今はどうでもいい。表情が崩れそうになるのを必死に堪えて、「ど、どういうこと?」と応えるのが精一杯。鼻を直撃したホットワインのせいで、思考が一瞬ストップしてしまったのだ。


「かっちゃんはね、女の子のこと、知らなすぎるよ…」
その瞬間、彼女の悲しさと自信が入り混ざったような表情が強調された。いつも違う雰囲気はメイクではなく、この表情のことだった。


どこまでが本当でどこまでが嘘なのか、僕には確認のしようが無いが、彼女の説明を纏めると、こうだ。


街で道を尋ねてきた男が、すぐにもう一度彼女のところにやってきて、「もう二度と会えないと思ったら今話しなきゃと思った」と言われ、連絡先を交換して、後日に食事、後日に昼からデートをしたということらしい。これは明らかにナンパをする男の声の掛け方だ。僕は、奥手な自分を克服するためにナンパのやり方も勉強したから、よく知っている。そして、その男の勤務先は、僕より遥かに年収が高い企業だ。年齢は僕と同じ。ビジネスマンとしてのレベルを比べると、明らかに負けを認めざるを得ない。


しかし、一人の男としては、決して負けるわけにはいかない。鼻の刺激が落ち着いてきたころ、ようやく思考が再開する。そもそも、豪華なデートという提案に応じたんだから、これ以上にへりくだる必要はない。彼女がもし、その男が好きだと思うなら、僕とは縁がなかっただけの話だ。互いに思い合えない女性と一緒に居るのは、お互いにとって有意義ではない。


自分の考えを冷静に見つめ直すと、彼女に臨むべきスタンスが自然と見えてきて、覚悟が決まった。「これが失う覚悟というやつか」。モテ方を学んでいた頃に知った概念だ。一瞬で放射線状に張り巡らされた思考が、すーっと一本の線にまとまってから薄くなって消えていくように感じた。


そして僕はゆっくりと深呼吸をしてからこう言った。
「ふーん。それで、その人と付き合いたいと思ってるの?」
腹を括った僕の一言で、彼女の表情が、また変わった。


「デートの時に急にバッグくれたから、逆になんか引いちゃった…」
「でもさ、プレゼントしてくれるなんて、いい人なんじゃないの?」
「いや…」
「いやって何だよ。じゃあどうするの?」



「メルカリで売る」

 

僕の脳天に稲妻が落ちた。男から急に大きな好意を示されると女性が引いてしまうという有名な現象だ。聞いたことはあったけど、初めて実際に目の当たりにした。彼女もまた、普通の女の子だということだ。プレゼントに味をしめて、その男から搾取をし続けないだけ良心的だと思うことにした。


結局、その男はナンパ師ではなく、本当に純粋な思いで彼女に声をかけてデートに誘ったようだった。ナンパ師なら絶対にプレゼントはあげないし、思い返すと勤務先を伝えているのがナンパ師らしくない。少し考えればわかることだった。彼女はその男の純粋な思いを裏切って、僕の目の前でスマホからKate Spadeのバッグをメルカリに出品したわけだ。隠れていた悪い顔が少し見えて、半分引きながらも妙な親しみを感じた。実直な男がついナンパしてしまうほど可愛い彼女が僕のところに戻ってきてくれて、ちゃんと感謝しなきゃいけない、と思った。


それからというものの、彼女とは会う頻度が増え、僕が会いたいと思うのと同じタイミングで連絡をくれるようになった。まるでテレパシーでも通じているかのようで、会う前からつい気持ちがそそり立ってしまう。特に金曜の夜は、お互い仕事で疲れていても必ず会うようにした。デートをして、食事をして、抱き合って、翌日の昼まで一緒に寝るのがたまらなく好きだった。回を重ねるほど、彼女はめまいがしそうなほどに艶っぽくなっていく。彼女を抱き締める度に生命が吹き込まれるような悦びを感じる。これが生きている実感だ。


ただ、ひとつだけ内緒の話をすると、実は僕のお財布事情が少々厳しくなってきた。外食が頻繁に続くと、流石にお金に羽根が生えて飛んでいってしまう。土日はほぼ毎週、どこかに遊びに行っている。どうして愛にはお金がかかるんだろうな…。仕事をもっとハードに頑張ったって、すぐに給料が増えるわけじゃないというのに。


こんな生活が3ヶ月程続いたあたりから、今後どうなっていくんだろうとふと考えることが増えてきた。刺激や喜びがマンネリ化しているのを自覚して、彼女との関係の分岐点に差し掛かってきたのをひしひしと感じている。


思い返すと、奥手な自分をどうにか克服して彼女と付き合うことができているものの、
やっぱり僕の恋愛はまだまだ下手くそで不器用だ。くだらないことを話して笑い合って、お互いに自然体同士でいることができれば十分だと思っているが、きっと、僕の自然体は彼女にとっては退屈なものだ。自然体な関係を望みながらも、自分の自然体を自分で認めることができていないから、実は自分の態度を取り繕い続けていたことに気がついた。そして、この矛盾を解消したいと思った。元々僕は内に篭って何かを作るのが好きなタイプだ。頻繁に出歩くのは好きではない。音楽活動もまだまだ頑張りたいから、そのために一人の時間が必要だ。僕は、自分のスタンスを下手なりにでも彼女に伝えてみようと思った。彼女は、男を好きになればなるほどベッタリと一緒に居たがる人だから、きっと彼女の意に反することを言うことになる。もう、なるようになるさと、開き直った。振られても仕方がない。


会うのは多くても1週間に多くても1回で、土日のデートや外食は月2回までが限度。我ながら塩っぱい条件だ。今は東梅田のイタリアンで食事をしながら話しているから、今月は残りあと1回だ。それから、僕の仕事と音楽活動への情熱を語った。それは、日頃は抑えている自分についての話を解き放つように、一気に。その瞬間に、本当は彼女を含めたどの他人よりも、自分自身のことに最も興味関心があることがはっきりとわかった。元来僕は、他人を思いやることができるような人間ではないのかもしれない。自分のことが一番大事だ。他人に優しくするときは、優しくすることで自分に得があると思える時。そういう男なのだ。

 

彼女に知らせてもお互いに何の得もないような、こういった本当の僕自身のことを、ボロボロと何かがこぼれ落ちるように喋りつづけていた。女性から好かれるためには決してやってはいけない振る舞いなのはわかっていたが、止められなかった。話しながら、開放感と爽快感を感じている自分を自覚した。

 

しかし最悪だ。「他人に優しくするときは、優しくすることで自分に得があると思える時」なんて、これまで彼女に優しくしたことを全部否定していると思われても仕方がない。彼女の中では点と点がはっきりと繋がったらしい。これまでの僕の振る舞いの中に、時折どこか作られたような「わざとらしさ」があったと言い出したのだ。

 

「あのさぁ、ちゃんと自分のままで生きたほうがいいよ」

「ああ」

「正直に言ってくれたのは嬉しい。でも、そういう人のことは好きでいられない。一緒にいて楽しかったのは本当だよ。これは私の思い出だから、ずっと変わらないから。もっと自分に誇りを持って生きなさいよ」

 

別れを心に決めた女性は、こうも潔い目つきをするのか。情はあるけど完全に突き放している目。僕のことを見ているようで、実は僕を透かしてその先にある未来をもう見始めているような、そんな気がした。

 

会計を済ませて店を出て、彼女は右に、僕は左に歩を進める。歩きながら夜空を見上げると、今にも消え入りそうに細々とした三日月が、ちょうど建物の影に消えていく瞬間だった。

 

どうにもそのまま帰る気にはなれず、とぼとぼと歩き続ける。御堂筋をひたすら南に進み続け、適当なところで右に曲がる。気がつけばアメリカ村三角公園の近くを歩いていた。通りから聞こえてきた篭ったような重低音に誘われ、名前も知らないクラブに一人足を踏み入れた。

 

この日はハウスミュージックのイベントのようで、キャップを深めに被った名も無きDJが黙々と曲を繋いでいた。最近流行りの煌やかなハウスではなく、土臭い、ザラッとした音色の昔ながらのハウスミュージックをアナログレコードで繋いている。僕の好みだ。ドリンクチケットでイエガーマイスターのショットを買って飲む。クセの強い味と香りのする酒だが、今夜は平気だ。

 

昔のハウスミュージックは、リズムマシンで作られたビートのうえに、古いソウルやジャズの曲の一部を切り取ってサンプリングした音を重ねて作られている。今夜のDJは腕が良いようで、音数が少なめの淡々とした曲を3曲続けて繋いだ。腕時計に目をやると1:30。この時間だから、ダンスフロアを盛り上げる前の焦らしをしているのだなとわかった。照明が控えめにされていて、余計に音に集中できる。まったく憎らしい。音楽に集中するあまり、別れた彼女のことがこの一瞬、頭のなかで少しだけ薄まっているのがわかった。それと同時に、DJブースの前に集まっている客の期待が僕に伝わってきた。彼らのことは知らないが、今夜はもっと踊りたいと思っているのは僕と同じだ。

 

徐々にグルーヴが高まってきて、曲のブレイクで音が静かになった次の瞬間、聴いたことのあるベースラインが突然耳に入ってきた。僕の部屋で彼女と一緒に観ていたNetflixドラマの"Get Down" のBGMで流れていた曲だ。初めて耳にする曲だけど、ヒップホップも昔のハウスと同じでサンプリングで作られるから、同じ曲が基になっていることにすぐ気がついた。明らかにジャズの曲からサンプリングしたとわかるような、ウッドベースのうねりとスイングが特徴的で、ずっと耳から離れなかった。その記憶と相まって、彼女と寝転びながら、このドラマを観ていたことを思い出した。ヒップホップが音楽として成り立つ様子を描きながら、荒々しいキャラクターが時折魅せる甘美な恋愛描写が好きだったんだ。畜生!

 

結局、クラブに入る前の感傷的な気持ちに戻ってしまい、バーカウンターでジントニックを買ってからその奥の椅子に腰掛ける。さっきの彼らは楽しそうに踊っていた。間もなく、一人の女の子が僕の横に座った。丸い顔の輪郭に沿わせたようなショートカットで、少し淡めのデニムジャケットを羽織ってフレアの白のロングスカートを着ている。こんな場所に白いスカートで来たら汚れてしまうのではないかと一瞬余計な心配をしたが、その色は薄暗いクラブの中で仄かに浮かび上がるように目立っていた。

 

「ねえ、一人で来てるの?」

 作戦も何もない、ありふれた声の掛け方をした。そんな気分だった。

 

「うん」

「女の子なのに珍しいね。実は僕もなんだ」

「うん」

話しかけてもずっと携帯をいじっている。会話が続かない。バツが悪くなって、二言三言を適当に発して、じゃあねと言って僕はダンスフロアに戻った。

 

丁度その時、控えめな照明のせいで気がつかなかったミラーボールに光が差されて回り始めた。DJが曲調を一気にディスコに変える。前のほう客は盛り上げる。そうか、彼らはこれを待っていたんだ。きっとDJと照明スタッフが、ある程度打合せをしていたんだろう。ボーカルとスネアのリズムがレイドバックしていて、タメがあるゆったりとしたいい曲だった。小躍りしやすい。

 

そのうちにお酒が進んでDJがかけるディスコ曲がすっかり煌やかになってきたころ、僕はいつのまにかディスコスターになったかのような気分で、軽快にステップを踏むような踊りに熱中していた。さっきまでヘコんでいたくせに、彼女に振られた勢いも手伝って半ばヤケクソのように踊る自分に気がつくと笑えてきて、ポジティブな気持ちが少し戻ってきたようだった。

 

僕もダンスフロアの前のほうに陣取っている。さっきからフロアの前のほうにいた客のうち、歳が近そうなスーツの男二人組が、「兄さんダンス上手いですやん!」と、テキーラのショットを奢ってくれた。彼らの気前の良さのおかげで、楽しさと酔いが倍に増した。すぐに僕もイエガーマイスターのショットを奢り返した。初めて飲むらしい。

 

「まっず!くっさ!!」

 

時に歯磨き粉の味のようだと形容されるの独特の味と香りは、彼らの口にはどうやら合わなかったらしい。でも、まずいくさいと言いながら見せる彼らの笑顔は、ミラーボールのようにきらきらと輝いて見えた。すぐにチェイサー代わりにビールを頼んで、彼らとしばらく談笑して、連絡先を交換した。彼らとの他愛もない戯れは、彼女と別れたばかりの乾いた僕の心を潤わせるには十分なものだった。

 

ふと後ろを振り返ると、さっきのショートカットの女の子がフロアの後方に立って、まだ携帯をいじっている。無理にダンスフロアの真ん中に誘うのは申し訳ないと思ったが、もう一度話しかけたいと思い、近づいていった。不思議と肩の力は抜けていた。酒の酔いを感じているが、意識はハッキリとしている。まったく眠くもない。ここ数年で一番の爽やかな酒だ。

 

一度壁際に迂回して、斜め横から近づいて僕が声を出そうとした瞬間、彼女が一歩こちらへ踏み出してきて、想定していた距離感が狂ってしまった。急に気持ちが高まる。

 

「ちょっとなんかさっきと違うじゃん」

自分を落ち着かせるために自身ありげに深呼吸をする。

「あー、音楽とビールはやっぱり生だよね」

「なにそれ!!」

 

グラスをぶつけて乾杯をする。カルーアミルクみたいな色に気がついて、一口わけてもらう。自分では絶対に飲まないが、甘いお酒はたまに飲むと格別に美味しい。お礼に僕のビールを一口あげる。

「普段ビール飲まないけど、たまにはいいね!」

 

お互い同じようなことを感じたとわかって、初めて手に取ったパズルのピースが一回目のトライでカチッとはまったよう気がした。口には出さないでおこうと一瞬思ったが、今夜は思ったことを思ったままに言いたい気分だった。

 

「そうなんだ!オレも、たまには甘いお酒を飲むのもいいなって今思ったんだよ」

「えーうそ!なんかチャラい」

 

そう言って僕のグラスに手を伸ばしてビールをもう一口飲み干した。話を進めていくと、最初の僕は少し暗い雰囲気が出ていたので、適当な応対をしたのだとわかった。その後、一緒にクラブに来た男友達の二人組と仲良くしている姿を見て印象が改まったらしい。僕にテキーラを奢ってくれた彼らは、実はこの子の連れだったのだ。高校からの腐れ縁の友達で、性別を意識せずに気兼ねなく話せる仲らしい。彼らの方を見ると、ニヤニヤしながらウィンクを送ってくる。片目だけではなく顔全体を使ってしているようなウィンクで、十分すぎるほどにアイコンタクトなのがわかった。くしゃくしゃになった顔を見て僕もこの子も大笑いした。その笑顔もまた、くしゃくしゃだった。

 

「あ、名前聞かせてよ」

「かおり」

「漢字書いて」

手のひらを見せると、人差し指で「香織」と書いた。僕も彼女の手をとって、自分の名前を漢字で書いた。

 

最近のクラブではダンスフロア内でお酒を飲むのは禁止されているから、早く踊りに行こうと誘い、持っているグラスを二人とも一気に空にする。フロアに出ると、香織はお世辞にも踊りが上手とは言えなかったが、リズムの取り方が独特で、特徴のある可愛らしい動きをする。その動きから半拍遅れて白いフレアのスカートがひらりと舞うように揺れ動いた。本当は見とれてしまいたかったが、凝視すると変に思われると思い、そしらぬような顔をして時々横目に見る程度にした。おかげで余計に気になってしまい、気づけば香織の一挙手一投足を見逃したくない気分になっていた。その気を紛らわそうと先ほどの二人組が居たほうに目をやると、姿が見えない。香織のスマホに出たLINEの通知を見せられる。

 

「ナイスな兄さんとヨロシクやってや」

「はは!なにこれ」

「ねー」

「ね!」

 

僕も、彼らの片割れからのLINEを見せる。

「帰るからあとはヨロシクたのむわ!」

 

次に彼らに会えたら、今後はテキーラを奢ってあげなきゃな。

 

香織と手を繋いだり、少しハグをしたり、クラブの中でする分には不自然ではない程度のスキンシップをした。このまま道頓堀沿いにあるホテルに連れて行こうと頭をよぎったが、その気になれなかった。好きな音楽と美味い酒と粋な男二人組と、そしてこの僕の目の前に現れた香織という女の子。ここに来るまで電池切れ寸前だった僕は、すっかり充電されていた。そのエネルギーを溜めたまま眠りに就きたかった。

 

ただ、もう少し話をしていたかったから、香織とクラブの近くにあるファミレスに行くことにした。クラブ帰りの早朝のファミレスは流れる時間がやけにゆっくりしていて、落ち着いて話すのに向いている。聞けばハウスやディスコが好きで、時々クラブに足を運ぶそうだ。これは趣味の話が通じるかもしれないと思って、僕は自分のスマホを取り出し、ミュージックアプリのプレイリストを見せた。

 

「どれか知ってる曲ある?」

 

香織はすぐに、NyteFlyteの "You Are" という曲と、Princeの"Gett Off" という曲が並んでいることに反応した。並べているのには理由があるからだ。

 

「2曲とも、がんばりましょうでサンプリングされているよね」

「そうそう、サビのメロディはNyteFlyteの曲そのままだよね」

 

男友達でもついて来れない話題に香織はひょいとついて来た。

「この話が通じる人に初めて会ったよ」

また香織は僕が思ったことを言った。

 

 

ツイキャスDJ生配信 延期のお知らせ

告知をブログで行なっていたので、延期のお知らせも、ブログで行います。

 


上記の事情で、今夜12/26に予定していたDJ生配信は、大変申し訳ないのですが延期とさせて頂きます。

 

正直、妻子が帰省しないと聞かされた時は膝から崩れ落ちるほどガッカリしました。密かに予定していた年末年始の予定(DJ収録、読書、女子とのアポ等)が全て吹っ飛んだことに加えて、狂人の嫁と長いこと同じ空間に居るハメになるからです。ハメになるよりハメたいですwww

 

真面目な話、ある意味でこれはいい機会。既婚子持ちで狂人の嫁が居るのに家でDJなんてできるはずがないし、パーソナル出前DJの今後の継続的な活動を考えると、自宅以外でDJ収録や配信ができる環境を早めに整えることは、長い目で見てプラスになるからです。病気になった妻子に感謝感謝。大事なことに気付かせてくれてありがとう泣

 

ここで備忘録。以下ができれば、外でDJ収録も配信もできるはず。

 

⒈ポケットWi-Fi契約

⒉中古のMacBook購入

⒊オーディオLINE入力ができるカラオケボックスを発見

 

やってやるって!!

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在るモノを出す

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以前、以下の記事で「考えていないことは喋れない」と書きました。

忖度のすゝめ - ri_supersaiyanのブログ

至極当たり前のことですが、それと同じで、「思ってもいないことは書けない」し、「好きでもないことはやれない」し、「無いものは出せない」です。否定語が多いのはよくないので言い方を変えましょう。「思っていることは書ける」し、「好きなことはやれる」だし、「あるモノは出せる」です。

「とりあえず」は損 ~ 言い方の技術の、そのまえに - ri_supersaiyanのブログ

 

思っていることはブログで書いているし、日頃のツイートでも言い散らかしています。最近だと、年賀状について思っていることをツイートしました。

フォロワーさん達からは概ね賛同いただきましたが、FF外(笑)の人からは、「どうかと思うー」みたいなリプも頂きました。ツイッターでのディスカッションはフリーダムなのでどんなオピニオンもフェアにオッケーでウェルカムですf:id:ri_supersaiyan:20171220194100p:plain

 

さて、ここからが本題ですが、僕の心のなかにあるずっと好きなものを出します、という話です。ちょっと長いですが、文脈で語るほうがよいと思ったためです。また、告知を含みます。もしお急ぎでさえなければ、よかったらお付合い頂けると幸いです。

 

 

 

 

幼少の頃から、マイケル・ジャクソンスティービー・ワンダー久保田利伸を親から聴かされて育ち、高校時代はバンドをかじり、大人になってからはテクノDJの活動を8年間行いました。

 

DJを始めたきっかけは、大学時代に付き合っていた彼女から全く笑えない非道いフラれ方をされ、大学へ行かずゾンビのように塞ぎ込んでいた僕を、地元の友人が無理矢理に新宿リキッドルームで行われていた夜のテクノイベントに連れて行ってくれたのがきっかけでした。

(笑えない非道いフラれ方は、サウザーさんの白熱教室の中で語っています。気になる方は聴いてみてください。有料コンテンツです。)

 

一晩中、クラブで爆音の中、ヤケクソでテキーラショットを何杯も煽り、酩酊して意識が朦朧としながらも汗だくになって踊り続けた結果、明け方のダンスフロア上で意識が異常なまでに覚醒し、まるで死の淵から生還したような安堵感と爽快感を覚え、冗談ではなく本当に生気を取り戻すことができたという実感を得たのです(人生が変わったと言っても大袈裟ではない)。A DJ Saved My Life です。(そういうタイトルの曲がありますね)

Indeep - Last Night A DJ Saved My Life (Official Music Video) - YouTube

 

その後すぐにハウス・テクノ音楽に取り憑かれ、バイトでお金を貯めてDJ機材を買いました。機材を買うまで待ちきれなかったので、近所のヨドバシカメラunderworldchemical brothersFatboy Slim のCDとヘッドフォンを持参して、店頭の展示機材を無断で使って店員に怒られるまで練習を続けていました。そのお陰で機材を買った頃には、基礎的なミックス(曲の繋ぎ)は既にできるようになっていました。

 

その後は練習を積んでクラブ関係の人脈を作り、クラブのDJブースやラウンジに立てるようになってからは、平日土日を問わずに夜な夜な大小様々な場所で音楽を紡ぎ続けてきました。DJ活動の初期はハウス、中期後期はテクノを中心に、時にはロックポップでもDJをしました。青山maniaclove、六本木core、西麻布eleven、同じく西麻布soundbar+、麻布十番warehouse702、渋谷womb、同じく渋谷のmodule、他にも色々と。DJをしたことがあるクラブは、今では潰れたかリニューアルをして、残念ながら殆ど姿を残していません。

 

後期の最後の方はこういう硬派なテクノDJをしていました。チャラさゼロ。曲のテンポ合わせは自動ではなく全て手動です。

Masculine Techno DJ Mix in 2011 (75MB, 80Min) by DJ Supersaiyan | Free Listening on SoundCloud 

 

残念ながら僕はDJとして大成できませんでしたが、1つの活動に8年間打ち込み続けたことは、いい思い出や誇りとして心に残っています。普通に仕事をして生きているだけでは、以下のツイートに書いたような思いや体験は決してできません。人前に立つことへの度胸や思い切りと、お金を払ってくれるお客さんへの誠意の気持ちと緊張感は、僕はDJ活動を通じて学びました。

 

また、DJをしていたお陰で女の子にちょっぴりモテました。先輩DJが連れてきた女友達とセックスをして、干されかけたこともありました(だから大成できないんだよwww)。ヨソのパーティーの女DJの女友達に手を出して、ビンタされかけたこともあります(すかさず廻し受け)。いずれも今となっては良い学びです。

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しかし、今の嫁と結婚をすると決断した時点で、夜型の生活、酒、タバコ、クラブやDJ活動への出費を全て止めることにしました。今思い返すと、8年続けて大成できなかったので、どこかでDJを止める理由が欲しかったのかもしれません。最後のDJで渋谷の小さなクラブを借りて、DJとスタッフを集めてパーティーを主催しましたが、うまく集客をすることができず、クラブのレンタル代、関係者への僅かなギャラ、フライヤー印刷費等で合計8万円近くの赤字を出して撃沈。DJ活動の幕引きとしては申し分ない圧倒的敗北でした。当時の僕の器では、一晩のパーティーを成功させることは到底無理な芸当だったのです。「こんなに上手くいかないんだから、止めよう」と、諦めがつきました。そう思うや否や、所有していたDJ機材を全て売り払いました。バイトを頑張って苦労して買った機材も、売る時は一瞬でサヨウナラです。

 

その後、結婚に向けて生活を改めて仕事に打ち込んで、ビジネス書や自己啓発書なんかを読み漁り始めると、それまで付き合ってきたクラブやDJの知り合い達と、あっという間に疎遠になっていきました。パーティーに誘われても遊びに行かなくなり、大体皆クラブで酔っ払って爆音の中で会話をしているので、実はお互いのことをよく知らないんだなと気が付いて、今までになかった距離感を覚えて、自分から疎遠にしていったと言うのが正しいのかもしれません。

(もちろん、クラブでの出会いから人付き合いを深めて、クラブ抜きで普通に食事に行ったり、結婚して家族ぐるみの付き合いを継続している人たちは沢山います。あくまで僕自身がクラブやDJ活動を通じて、継続的な人間関係を作ることができなかった、というだけの話です。)

 

すると、それまで死ぬほど聴いていたテクノやハウスを一切聴かなくなり、ふとした瞬間に、幼いころに聴いていた久保田利伸マイケル・ジャクソンを聴きたいと思い立ったのです。試しにyoutubeで開いてみたところ、ツボにドハマリ。幼い頃に聴いていたものが心の中でグオォォッ!!と蘇ってきたわけです。

久保田利伸 『流星のサドル』 - YouTube

久保田利伸 TIMEシャワーに射たれて - YouTube

Michael Jackson - Billie Jean (Official Video) - YouTube

Michael Jackson - Don’t Stop 'Til You Get Enough (Official Video) - YouTube

 

久保田利伸マイケル・ジャクソンの追悼曲を出しているのを見つけて大興奮したり。上記の "Don't stop till you get enough" にソックリで。

久保田利伸「Tomorrow Waltz - Single」をiTunesで  (※2曲目のstar light)

 

これは主観なので伝わりにくいかもしれないですが、すごくシックリきたわけです。「ああ、オレは昔からファンキーでスウィートな音楽が好きなんだな…(遠い目)」みたいな。そこからは親の世代の80年代前半付近のディスコ曲をひたすら聴き漁りました。初めて聴く曲でも、感覚的にシックリきているので、懐かしくも新鮮な気持ちで心も身体も踊ります。最初はyoutubeで聴いていましたが、しばらくするとapple musicやspotifyの定額課金で聴き放題のサービスが登場したので更に深くハマることに。昔の曲でもザクザクと出てきて、まるで宝探しをしている気分でした。そして、App StoreDjayという名前のDJアプリを見つけて、しかもspotifyと連携できるというじゃありませんか。その時思ったわけです。「今オレが大好きなディスコ曲で、またDJができるじゃないか!」と。

 

それで、iPhoneアプリだけで試しにやってみたDJがこちら。オンラインとは言え、僕の初めての人前でのディスコDJです(最初の30分)。楽しくて仕方なかったですね。ツイキャスのタイトルの時点からテンションが上がっていますwww

 

ここで告知ですが、またツイキャスでディスコDJをやります。12/26(火)21時もしくは22時頃の開始です。またツイートでお知らせしますので、よかったらぜひ聴いてください。 気になる方は今のうちに通知リストに入れておいてくださいね。

Support - TwitCasting  (通知リストの登録方法

 

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ミキサー、ヘッドホン、マイクを購入済みですエッヘッへ。

 

それで、前回のようにただiPhoneでDJするだけでは面白くありません。そんなキャス主は腐るほどいるので、今回は、

・DJの解説を喋りながら

・曲紹介や合いの手を入れながら

・時に一緒に歌いながら

DJをします。このスタイルの参考になったのは、以下の3組。

田中フミヤ

・大阪のローカルDJ

Tuxedo

 

田中フミヤは、日本のテクノDJ、テクノ音楽クリエイターの先駆者ですが、2007年に発売したDVD "Via" で「DJがプレイ中に巡らせる思考を言語化してみたとしたら?」という発想を発端に、クラブの現場でDJ中にぶつぶつ喋って、それを記録しているという、当時のテクノ業界全体が目ン玉をひん剥いて驚くほど話題になった作品でのスタイルです。電気グルーヴ石野卓球も絶賛。

www.youtube.com

 

大阪のローカルDJは、DJがマイクを使って曲紹介や合いの手の声を入れるというものです。東京のクラブではまずあり得ないことなので、初めて見たときは衝撃を受けました。ただ、80年代のディスコでは、東京でもDJが喋るのが普通だったらしいので、どうやらこれはオールドスクールスタイルのようです。

 

Tuxedoは、ディスコリバイバルの流れを汲むアメリカのユニットですが、彼らが大阪に来た時に観たDJでは、時折マイクで曲に合わせて生歌を入れていました(片割れが元々ソロシンガーなので歌がうまい)。これもなかなか驚きました。

(海外でのDJ、自分たちの歌を自分で歌っているシーンの抜粋。実際は他人の曲でも歌う。うちの子供たちはTuxedoが大好きです。)

 

で、僕のツイキャスDJを聴く時は、お家のスピーカーで、もしくはスマホにイヤフォンを挿してお酒を飲みながら聴くと、音質が豊かになって楽しく聴けますよ笑

 忘年会が終わったら惰性で2軒目に寄らずに、まっすぐ家に帰りながら僕のDJで楽しんでもらえると大変幸いです。

 

 

そして、2018年は人のためにDJをする活動を行いたいと思います。 

 

 

本記事でここまで書いてきたように、音楽は個人の好みに加えて、過去の体験や思い入れという要素が非常に強いのです。好きな人が聴いていた曲、試合の前に必ず聴いていた曲、よく行く場所で流れていたあの曲、受験勉強でいつも聴いていた曲、フラれた時に癒やされた曲、青春時代の思い出の曲など。以下のくまの氏のツイートにあるように、まさに「人の音楽に、その人の歴史あり」です。

例えば僕はDragon Ashのアルバム "Viva La Revolution" を聴くと、高校時代の暑い夏を思い出します。

(5曲目の「ピッと出てきて即大盛況」の "Attention" という曲は、有名なディスコ曲であるCheryl Lynn "Got To Be Real"のトラックと、Fatboy Slim "Gangster Trippin" の声ネタをサンプリングしています。)

 

また、コンテンツとしての音楽はテキストや動画と違って、部分的にかい摘んで聴いたり時短できる程に再生速度を上げると、本来の良さや魅力が損なわれる性質があります。言い換えると、音楽というコンテンツをきちんと消費するには必ず長い時間がかかるわけです。余暇時間の過ごし方としてスマホ、テキスト(読書、ブログ等)、動画と食い合うし、音楽は時間あたりの情報量コスパがダントツに悪い。しかも、テキストや動画よりも娯楽としての側面が強く、平たく言うと音楽を聴いても殆どタメになりません(≒知識や考え方が身につくわけではない)。なので、いくら発信しても、それが無料だとしても、好かれない音楽は全く見向きもされません。 

 

そこで思いついたのは、個人の好み、体験、思い入れに根ざした曲をその人のためだけにDJをして繋げて、1つのミックス作品としてお届けする、というものです。「売れている」、「新しい」、「流行っている」、ではなく、個人の趣味嗜好が細分化されたこの時代、どれだけ純度高くパーソナライズされているかが、DJミックス作品にも必要とされるのではないかという仮設を立てました。アルバムを一枚買えばハズレ曲が混じります。ミックスCDを買って聴けば、好みではない余計な曲が混じります。ミックスされているので曲順は変えられません。なので、単曲でのダウンロードやストリーミングが今は主流ですが、飽きられた瞬間にPCのHDDやスマホから、指先1つでひでぶ!と削除されてしまいます。もしくは、削除はされないけど、二度と再生もされません(あなたのiTunesの中にもこういう曲があるはずです!)。よほど愛されない限り、音楽はそういう悲しい扱いを受けてしまうものなのです(もちろんテキストや動画も然り)。

 

なので、時間が立っても尚、心のベスト10に残っているような大切な曲、心が踊るようにワクワクとする曲だけを集めてDJをすることができれば、それはその人にとって充実した時間の過ごし方になるのではないかと考えたわけです。

 

クラブの現場に8年間立ち続けたキャリアはありますが、テクノ、ハウス以外の経験外の音楽を、専門でやっているDJの方と同じ水準でミックスするだけの高い技術と経験は今の僕にはありません。実績も信頼もまだ積み上がっていませんし、今はリクエストを頂けるだけでありがたいです。リクエストをしてくれた方の選曲でDJをすることによって、僕も練習する機会を与えてもらうというわけです。なので、当面は無料で行っていきます。将来的に、多少の実績や信頼らしきものができたと思えた時点で初めて、幾ばくかの経費にあたる費用を頂戴することを検討するかもしれませんが、それはまだ先の話です。そういう考えがあっての、以下のツイートに至りました。

 

 

 

注文を受けて作ってお届けするので、「出前」です。

ジャンルは全く問いません。テクノ、ハウス、ヒップホップ、R&B、ジャズ、ロック、J-POP、K-POP、サントラ、テーマ曲、アニソン、歌謡曲などなど、その他なんでもOKです。だいたい10〜15曲位を羅列して、メールアドレスri.supersaiyan.onlinedemaedj@gmail.com、もしくは僕のツイッターのDMにお送りください。(メールの場合はSNSアカウントへのリンク貼りをお願いします。)

 

曲順は指定してもらっても、僕に任せてもらってもいずれもOKです。spotifyもしくはapple musicにある曲であれば、プレイリスト全体や曲ごとのURLを貼ってもらえるとありがたいですが、これはあくまでも任意です(ない曲はTSUTAYAでCDレンタルしてでも用意します)。それよりも大事なのは、曲に対する思い入れや体験を、ご自身の言葉で語ってほしいということです。短文でも長文でも構いませんので語って頂ければ、あなたの思い入れに対して僕も思いを馳せます。それによって単なるDJ作業の外注ではなく、リクエストしてくれた方の心のなかにある思い入れや体験と、僕が持つDJ機材やDJのセンスと技術が合わさって、共同のひとつの作品を創り出すことができるようになると思うのです。つまり、お互い自分のなかに在るモノを出し合う、というわけです。

 

僕とのフォロー有無、フォロワー数の多寡は問いません。マ○コ門戸をガバガバに開いてお待ちしています。「パーソナル出前DJ」はトライアルでの開始ですので、ぜひお気軽にご依頼を頂けると嬉しいです。

 

というわけで、パーソナル出前DJ、一丁いかがっすか!!

 

ご依頼はこちらから↓

ri.supersaiyan.onlinedemaedj@gmail.com

or 

スーパーサイヤさん (@ri_supersaiyan) | Twitter (DM開放しています)

 

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SMAP曲だけでのDJも、年末もしくは年明けには必ず収録して公開します。やると言ったらやります。 

 

忖度のすゝめ

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今回のブログ記事は、会社の朝礼で行ったスピーチを録音して、文字起こしをしました。内容は、以下の記事を会社の愚民共に向けてカジュアルに表現しているという感じですwww

ブログで書いた内容を言い換えて朝礼で喋ればいいだけだから、楽でした。

ri-supersaiyan.hatenablog.com

 

当然ですが、考えていないことは喋れないので、ブログで自分の考えをアウトプットしておくことは、いざ人前で喋るときのネタ作りになりますね。予め考えてあるから、付け焼き刃ではなく自分の言葉での喋りになる。一方で、人と喋りながら思考が整理されたり、喋っている過程で新しい考えに気がつくこともあるから、とにかく喋ることも大事(これはツイキャスをやっていて思ったこと)。本を読んで新しい情報や思考をインプットするのも大事。読み、書き、喋り、つまり言葉って大事ですね、当たり前ですけど。それでは本題です。

 

※以下、文字起こし

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今日は、「忖度のススメ」という話をさせてもらいたいと思います。

 

忖度という言葉がちょっと前に流行って、森友・加計学園の一連の疑惑の中で出てきた言葉なんですけど、実は忖度という言葉は何の悪い言葉でもなくて、昔からある日本語で、調べてみると「相手や他人の気持ちや事情を推し量ること」という意味なんですけど、むしろ良い意味なんですね。

 

で、皆さん忖度してますか?という話なんですけど、営業の仕事で考えると、お客さんの気持ちや事情を推し量ってお話を進めたり、ご提案をするということ自体が正に忖度でして、忖度ができるかどうかというのが営業の価値だと言っても過言ではない、と思っています。

 


逆に言うと、忖度ができなかった場合は、例えば同じような話や仕事を何回もやっているのにその割には初歩的な質問が来たりすると、きっとお客さんからしたら、
「この人、話を覚えてるのかな?」とか「なんか気が回らないな」という印象になって、もしかしたら仕事が来なくなることに繋がってくることも十分考えられる話です。
もちろんこれは対お客さんだけではなくて、社内、それはヨコの関係も上下の関係もそうだし、もしかしたらプライベートでも当てはまることかもしれません。

 


一方で、忖度を他人に共用することは、これはこれでまた別のよろしくない問題があるなと思っていて、つまりどういうことかと言うと、「言わないでもわかるよね?」という前提で人にお話をするのは、それはとても横暴なことだなと思うので、それはよくないです。なので、あくまで忖度という、つまり相手の事情や気持ちを推し量るということに関しては、位置づけとしては、自分から積極的に相手にしてあげることだし、
たぶんそれが最低限の心掛け。で、相手にはなるべく強要しないようにという位置づけが、おそらく一番相応しい「忖度」との付き合い方なのかなと思います。

 


ただ一方で、「言われてないからわかりません」という返しも、これもまた横暴になってくる話で、やっぱり人間同士ですから、仕事をやっていれば記憶もできあがってきますし、相手との関係性というのももちろんありますから、それを無視しちゃうような対応になるんですよ、もし「言われてないからわかりません」とみたいな返しをしちゃった場合はですけど。寧ろそれができなかったら、機械にやらせたほうがまだ正確じゃん、みたいな話も今後の時代、リアルに出てくる話です。

 


なのでやっぱり、「忖度」と言うと、ちょっとここ最近の文脈だと語弊がありますが、
本当は実はいい言葉なので、そういうことを気にかけながら仕事をやっていくとですね、もちろん僕も忖度ができなくてお客さんに時々怒られるんですけど、
まあそういうことを考えてやっていけば、お客さんもそうだし、社内も、そうではないシーンでもうまくいくのかなぁと思ってお話をさせて頂きました。

 

以上です。では本日もよろしくお願いします。

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※文字起こし以上

 

まあ、至極当たり前のことを言っていますが、とても良いことを言っていますね笑

自分で喋ったことであっても、こうやって後になって文字起こしをしてみると、新しい発見があります。「もう少し嫁に忖度してあげてもいいかもなぁ」と、ふと思った次第です。

 

皆さん、忖度してますか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(おまけ)

音声バージョンはこちら。3分20秒程度のスピーチですが、少し再生速度を落として4分程度です。会社の人に聴かれたら確実に身バレしますが、ここには辿り着かないことでしょう。

Dropbox - 忖度のススメ.m4a

会いたい人に会うために 〜SNSでの出会い方〜

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ツイッターを5年位やっていると、とてもありがたいことに、会いたいと言ってもらえることが時々あります。今回はSNS、とりわけツイッター上でどのようにすれば会いたい人と会えるか、また、会ったらどうなるかについて、以前から考えていた僕なりの意見を書いてみたいと思います。出会いは人と人との間に起こる出来事ですから、絶対的な正解は存在しません。僕がツイッターを使って30人以上の方々に実際に会った経験から、自分なりに正しいと思っていることを書きます。(インスタやFBで人に会ったことはないので、ツイッター限定です。ちなみに大学生だった頃はmixi使ってグへ略)。

 

最初にお断りしておきたいのは、本記事を書くきっかけになったのは、最近頂いた「会いたい旨のリプライ」ですが、それはきっかけに過ぎません。また、過去に同様のリプライやDMをくれた特定の誰かを悪く言うつもりも全くありません、人柄云々ではなく、人へのアプローチの仕方や心構えについての記事ですので、もし読者の方で心当たりの方がいらっしゃったら、そこは ”Don't take it personal” でお願いしたいと思います。

 

■基本編

それで、まず言いたいことは、知らない人同士が知り合って仲良くなって会うまでのプロセスは、関係の序盤では男&男の場合でも男&女の場合でも、性別はあまり関係がないということです。僕が男なので体験はできませんが、女&女の場合もおそらくそうでしょう。その後の関係がどのように展開されるか(仲の良い友人、ナンパ仲間、合コン仲間、先輩後輩、オフパコパコetc..)は当人同士の問題ですが、関係の序盤は相手の性別を問わず、また年齢もそれほど問わず、知らない者同士が仲良くなるためには、もっと根本的で大事なことがあります。

 

作家の藤沢数希さんが提唱する恋愛工学の中で、女性を口説くためのACSモデル」というフレームワークが存在します。(※原典は海外ナンパ師のMystery氏。恋愛工学を知っている方は読み飛ばしてもらってOKです。)

【A】Attract:惹きつける、関心を持つ
【C】Comfort:親密になる、和む
【S】Seduce:誘惑する、誘う

原則としてA→C→Sの順番に関係が進んでいき、AからSへのジャンプや、CやSの段階から関係が始まることは極めて稀だとされています。(ちなみにSフェーズからスタートして、出会って4秒で合体してみたい笑)

 

これ、別に女性を口説くためだけのフレームワークではなく、性別や年齢を問わず、様々な相手と気持ち良い人間関係を作るためのフレームワークだと思っています。

 

例えば、皆さんもプライベートや仕事の人間関係において、相手の性別や年齢を問わずに、急に馴れ馴れしくされたり、それほど仲良くなっていないのに突然遊びに誘われて困惑したことが一度ぐらいはあるでしょう。ツイッターでも、相手との関係が築かれる前の段階から会いたいと言われると、困惑してしまうのが正直なところです。つまり、人間関係の原則や距離感は、現実世界とツイッターは何ら変わりないということをまずは念頭に置く必要があります。むしろ顔が見えない分、余計に丁寧に慎重になっても良いくらいです。

 

現実の人間関係でフットワークの軽さや勢いの良さを売りにしている方もいらっしゃるかと思いますが、その場合は、その売りをそのままツイッター上に持ち込むのは少々危険です。ツイッターを長くやっていると、身バレや晒されや個人攻撃などの出来事をしばしば見かけることがあり、アプローチされる側はどうしても警戒します。単純な話、よく知らない人とむやみやたらと会うもんじゃありません。フォロワー数が多ければ多いほど警戒していると考えるのが妥当でしょう。ですし、それ以上に、貴方に会うかどうかを決めるのは、貴方が会いたいと思っている相手です。相手の雰囲気や温度感をツイートから察知しながら徐々にアプローチしていくのが、ツイッターで人と会うための基本プレイです。あとは、「はじめまして」や「こんばんは」等の挨拶ワードも、基本中の基本です。知らないひとから挨拶もなく突然に用件を告げられたら、貴方はどういう気持になるでしょうか。現実世界と全く同じですね。

以上が基本です。あまりにも平凡ですね。当たり前のことを当たり前にやるだけです。そして、基本があれば、応用があります。

 

■応用編

アプローチする時と場合と内容によっては、会いたい人に会うための手順をグッとショートカットできます。

 

まずは時。相手が人に会いたいと思っているタイミングや、実際に会う人をツイートで募集しているタイミングで、すかさず立候補する方法です。「緩募 渋谷でお茶」とかありますよね。あとは、オフ会参加者募集とか、コンテンツの収録とか。相手も人間ですから、誰かと話したい気持ちや新しい人に出会ってみたい気持ちが強くなることがあります。その瞬間を逃さずにアプローチすれば、会える確率は一気に高まります。僕はこの方法で自分からアプローチして即日お会いしたこともあれば、自分から会う人を募集して、アプローチを受け入れて即日お会いしたこともあります。僕の場合、お会いした方のほとんどが相互フォローでしたし、少なくともどちらか一方はフォローをしていましたが、フォローをしていなくても、相手のアカウント名やアイコンを見てピンと来る程度の認識は持っていました。気になる相手のツイートがされたら通知が鳴るように設定すると、そういったタイミングを掴める確率は上がるでしょう。僕の場合は、タイミングや巡り合わせが縁だと思っているので、通知の機能は使わずに、緩募ツイート発見は偶然に身を任せました。

もちろん、上記の基本編に書いてある内容をお互いに実践できているのが大前提なのは言うまでもありません。

 

次に場合。貴方が会いたい相手がもし何らかの有料コンテンツを販売している場合、お金を払えばその対価として正々堂々と会いに行けます。お金は信用であり責任ですから、お金を受け取った人はお金を支払ってくれた人に必ず会わなければなりません。有料オンラインサロンのオフ会や講習、時間あたり●円の個別コンサル、その他何らかの有料サービスを提供していれば、それを買えばいいのです。これはとっても簡単です。

 

最後に内容。これが一番大事です。抽象的で月並みですが、相手にとって面白かったり、有益なリプライを心がけていれば、自然と貴方が相手に記憶されて、印象が良くなって会える確率が上がります。例えば、ツイッターから知り合い、今ではすっかりマイメンであるKazくんは、僕へのリプライで当時もの凄いジャストでどストライクなコメントをくれたので、一気に親近感を覚えて仲良くなったのを今でも覚えています。これは完全に主観の世界です。

 

 

もちろん、こういうのは感性の巡り合わせであって、いつもバッチリキマるとは限らないし、一朝一夕にはいくものでもありません。相手に気に入られようとして無理やり捻り出すようなリプライをすれば相手に見透かされてしまいます。あくまで自然な自分で接するのが良いでしょう。偽った自分と仲良くなってもらっても、相手との気持ちの良い関係は望めません。会った後にガッカリされるのがオチです。あとは、勇気を出して時にはブッ込んでみることです。「どうせツイッターなんだから会えなくてもまあ普通でしょ」と割り切れると、失礼のない範囲でダメモトで一歩踏み込んだアプローチができます。リプライの内容をよりパーソナルにしたり、DMで自己開示したり、会いたいですと素直に言ってみたり。会いたいと思った理由を自分の言葉で相手に伝えることが重要です。それが無いと、「なんでオレと会いたいんだ??」という疑問や困惑が生まれてしまうからです。女性を口説く時に、その女性のどこが良いと思ったかを伝えずに抱こうとすると抵抗されるのと同じです。街中で突然に名刺交換を要求してくる若い営業マンを不審に思うのは、自分に接触してきた理由がわからないからです。ツイッター上の関係をone of them から1 on 1に変えて実際に会うためには、自己開示と会いたい理由の説明が欠かせません。これは、何百人、何千人と居るフォロワー達から抜きん出るために必要なことです。僕が自分から会いたいと伝えた相手には、性別問わず例外なく勇気を出して踏み込みました。もちろん、失礼のないように心掛けながら、相手が断る道をきちんと残した表現を心がけてお誘いしているつもりです。「もし都合さえ良ければ」や「差し支え無ければ」など。お互いが相思相愛にならないとうまくいかないのは、仕事や恋愛だけではなく、ツイッターでの出会いも同じだということです。

 

■会ってその後 

当面は実際に会うことが目標でも、無事にその目標をクリアすると、次にはその人とのリアルな人間関係というものが待っています。一度会ってみて楽しさや充実を感じることができれば、また会いたいと思うのが自然です。ツイッターでお互いが会うことを了承して一度会ってみて、その後も継続できている人間関係は、お互いの完全に自主的な自由意志のみを基に成り立っていて大変貴重な人間関係です。学校や職場のような限られた枠の中で必要性に駆られて開始した関係ではなく、仕事上の接点もないので強制力や利害関係が存在しません(その後一緒にビジネスを始めた場合はその限りではないですが)。利害関係や強制力が存在せず自由な意思同士で繋がる人間関係は極めて快適です。匿名のツイッターで予め本音を晒し合っていているので、会話が弾む弾む。ツイッター上とのギャップも楽しめる。これは相当に楽しいことです。僕が勝手に幹事をしている "関恋工"というコミュニティ(関西の週刊金融日記・恋愛工学のコミュニティ)では数ヶ月に一度、10~20人程度が集まる飲み会を開いていて、飲み会と飲み会の間にも各自が緩く繋がってナンパしに行ったり、合コンに行ったり、服を買いに行ったり、お茶しに行ったり、VRゲームをしに行ったり、ツイキャスしたり、一緒にnoteを作ったりと、こういった関係性が1年以上続いてきました。最初は全員が知らない人同士でしたが、ここまで書いてきたような出会い方に恵まれて関係を継続することができていて、とてもありがたいと思っています。

 

一方で、実際に会った後でフォローを外されるケースもあります。僕が認識しているだけでも3名の方に、実際に会った後にフォローを外されています。僕のツイートの内容、僕の実際の会話、もしくはそれらの両方が、相手にとって心地良くないものだったり、指向が異なるものだったのでしょう。僕は常に自分を偽らずに考えや感情を表現しているつもりなので、その結果としてフォローを外されるのはミスマッチを防げたという意味で本望であり、これもまた大事なご縁だと思っています。ツイッターでの出会いは自由意志ですから、どちらかがいやだと思えばいつでも関係を切ることができるものです。こういった出来事に遭遇すると、改めて、今継続できているツイッター発の人間関係に対して感謝の念を深めることができるというものです。

 

■最後に

当たり前ですが、会ってみて変だな、怪しいなと思ったらすぐに逃げましょう。自己責任です。

作品集

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趣味でやっている音楽リミックスの作品が溜まってきたので、ここいらで纏めてドンと貼ってみようと思います。全部iPhoneで作っています。よかったら聴いてみてくださいね。

 


A Woman Needs Love (DK&CT Remix)

 


Give It To Me Baby (DK&CT “Blue Monday” Remix)

 


Happy (DK&CT D'n'B Remix)

 


Remind Me / Patrice Rushen (DK&CT "KC" Remix)

 

www.youtube.com

 

こちらはリミックスではなく、DJMixです。約45分。↓

www.youtube.com

 

ミックス曲のストックがもう少し増えてきたら、自分のリミックス曲だけでDJをやってみようと思います。

「とりあえず」は損 ~ 言い方の技術の、そのまえに

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みうらじゅんのアイコンでおなじみの桐崎さんから、こんなご提案を頂きました。

 

言い方の技術、という言葉をヒントに、本記事を書いてみたいと思います。

 

それは、ふと以下のつぶやきをしたことに端を発します。

 

同じ意味でも、言い方を変えるだけで、受け手が持つ印象や心象に大きな違いが出るという話です。どうせ同じ意味のことを言うなら、ポジティブで明るい言葉や表現を選ぼうよ、というシンプルな話です。

 

思いのほか多くのRTとイイネを頂いたので、僕はしばしば「言い方」についてのツイートをしていたことに気が付き、過去の該当ツイートを掘り返して連続でRTをしました。

 

 

 

(最後のツイートはアホですね!)

 

実は、「言い方」はもちろん大事なのですが、それはあくまで枝葉の話でしかない、と思っています。

 

どういうことかと言うと、例えば、ビジネスの現場で「マジそれなくね?激オコだわー」という発言をした時点で、ソイツは社会人として足切りされて会社から干される可能性が高いものの、仮にソイツが平均の3倍をコンスタントに売り上げるスーパー営業マンだったとしたら、言い方がまともな並の営業マンよりも会社から確実に重宝されるということです。しかし、これは極端な例です。もう少し現実的に言うと、昇進をかけた似たスペックの2名が居た場合は、言い方の感じが良くて印象が良いほうが選ばれます。なので、決して侮ってはいけない枝葉です。僅差で負けたら、もったいないです。

 

プライベートの場においては、言い方が上手じゃない人は、他人を不快にさせたり悪い印象を与えているだけです。ビジネスにおいては数字というファクトが何よりも優先される基準ですが、プライベートの人間関係は感情の世界です。「なんかこの人感じイイじゃん」とか「なんかイヤだ」と感じるかどうかです。ファクトやロジックの世界ではありません。利害関係がなければ、その気になれば一瞬で捨てることができるのがプライベートの人付き合いですから、なおさら大切にする必要があると思っています。

 

ビジネスもプライベートも含めて、人間関係で共通して言えるのは、相手と良い関係を築くことが、自分自身の幸福や得や徳になって返ってくるということです。だから良い関係を作りたいという、これまたシンプルな話です。

 

人間関係とは、突き詰めれば一対一の付き合いです。個人対個人です。相手の感じ方は千差万別です。もちろん、自分のこれまでの人付き合いの経験や、相手の属性によっては、ある程度の相手の感じ方の傾向について仮説を立てることが可能です。しかし、月並みですが、まずは相手ひとりひとりをきちんと見なければなりません。特に関係の初期段階は、相手の感じ方や受け取り方に気を配る必要があります。

 

そのうえで、言い方の技術を磨く以前に考えるべきことがあります。

・自分はその相手との間にどのような関係を築きたいのか

・自分はその相手からどのように思ってもらいたいのか

 

またまたシンプルな話ですが、相手との良い関係を築き始めるには、最低限の信用を得る必要があるので、「人から信用されたい」と思って振舞っていくだけで良いと思います。そうすれば自ずと、感じの悪い言い方は避けるし、相手が理解できるように話すし、約束は守ろうとするし、まず相手にGIVEしようとするし、本音で素直に接しようとすることになってくる、というわけです。何も難しいことはありません。

もし相手と良い関係を築きたいと思っていなければ、プライベートなら極力絡まなければいいだけです。ビジネスの場合はどうしても関わらなければならないことがありますから、その際に自分が相手からイヤな思いをさせられないようにするために、相手にとって適切な応対をして嫌われないようにする必要があります。すると、自然とヘタな言い方はできないよなぁと考えるわけです。

 

ここまで書いてきた考え方の延長線上に、言い方の技術が自然と存在しています。技術だけ先行しても、相手に見透かされて上滑りするだけでしょうから、気をつけてください。言い方は大事だけど、言い方だけを良くすればそれでいいってもんじゃないというのが、本記事の主張でございます。心掛けが先、技術が後です。

 

 問題:印象が良いと感じるほうを選んでみましょう。(超入門編)

 

問1

A.最低限の信用を得ないと、相手との関係を築き始めることができない

B.最低限の信用を得れば、相手との良い関係は築き始めることができる

 

問2 

A.ご飯を食べ終わらないと、アイスが食べられないよ

B.ご飯を食べ終われば、アイスを食べられるよ

 

問3 

A.この資料が揃わないと提案書が完成できません

B.この資料さえ揃えば提案書が完成できます

 

否定語を使わない方がいいってだけの話ですね。

 

 あと、これオススメです↓

style.nikkei.com

 

これもオススメです↓

www.lifehacker.jp

 

以下、ツイッターで頂いた反応を掲載します↓

 

桐崎美玲 on Twitter: "素晴らしいアクションの速さ!! サイヤさんの「言い方の技術」は「コミュニケーションの技術」とも言えます。すぐにでも使っていこう。 https://t.co/9cTwCwBrEr"

 

ハイロー on Twitter: "ひとまず、オススメの記事を一通りみて即実践します。これは僕の最大クラスの問題点に刺さったので嬉しいです。ありがとうございます。 https://t.co/4C07IhBJUD"

 

kai on Twitter: "頼み方1つとっても気遣いを感じさせる人とそうでない人がはっきりと別れますよね。同じことでも言い方が違うだけで与える印象に雲泥の差があります。とても大事な技術ですね! https://t.co/l6aBlwxVPq"

 

ハーバル on Twitter: "すごい参考になります https://t.co/yhnuyk8l6E"

 

く す お on Twitter: "良記事。コヴィーさんの第五の習慣にも通じますね。 https://t.co/LB0LIoLycs"